雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

そういえば苦い思い出

初代の "MOTHER" にはとても苦い記憶がある。以下少しだけ内容に触れるので、 "MOTHER3" の前に "MOTHER" をやっておこうとか思っている人は注意。


ストーリーを進めていく途中で、「フライングマン」という有名なキャラクターに出会う。主人公が彼らに話しかけると、勝手に仲間になり、勝手に戦闘に参加し、勝手に攻撃を受けてくれ、勝手に死んでいく。死んだあと、彼らの住み処を再訪すると墓が建っている…というキャラである。実は彼らがどうなろうと、ストーリーの展開には特に関係がない。こちらから話しかけなければ、彼らは普通の暮らしをしているはずなのである。筋に関係がないだけに、勝手に自分たちの犠牲になってくれる彼らの存在が余計にクローズアップされる。ぽつぽつと増えていく墓を目にしてどういう感情が呼び起こされ、どういう行動を取るのか、それはプレイヤーに委ねられている。特異なキャラである。
しかし、その時ちょうど展開に詰まっていた私は、「彼らが全員死んだらストーリー展開のフラグが立つに違いない」となぜか思いこんで、まるで作業のように彼らを死なせていたのだ。ドラクエで、レベルアップのために雑魚敵を狩るように。
フライングマン全員が死に、彼らの住み処には墓だけが残り(まだ気がついていない私は「誰がこの墓建ててるんだよ」なんて軽口を叩いていた)、そして当然ながらストーリーは進展しない。気づいたときには遅かった。自分は取り返しのつかないことをやらかしてしまったのだ、と、ひどい罪悪感に襲われた。
17年経った今でも "MOTHER" と聞いてまず思い出すのはフライングマンのことである。…というふうに、私は糸井重里の罠にまんまとはまってしまったわけだ。まったく、素晴らしいゲームである。