雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

「感動」と引き替えの九百四十八球

もう既にいろんな人が言ってることだが、「一人のエースに頼るチーム作りは避けよ」となってた筈だけどな。少年まんがなら全国大会優勝で<完>を打てばいいのだろうが、そういうわけにもいかない。

しかし国民栄誉賞の大先輩もこんなこと言って称えている。新聞も、今日の一面コラムは主催社の朝日だけでなく全紙高校野球で、それもネガティブな捉え方は皆無なのだから問題の根は深い。
http://www.asahi.com/paper/column20060822.html

4連投となったエースの斎藤君は、昨日の再試合でもほとんど乱れなかった。本塁打2本を浴びたが、踏みとどまった。小憎らしいほどの落ち着きぶりだったが、優勝を決めた後には目をしばたたいた(朝日「天声人語」)

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/yoroku/news/20060822ddm001070005000c.html

4連投の再試合でも13三振を奪った斎藤佑樹投手の力投と、鍛え抜かれたチームの堅守・巧打は今さらここで称賛するまでもなかろう(毎日「余録」)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060821ig15.htm

延長引き分けとなった前日の試合で、早実・斎藤、駒苫・田中の両投手は計343球を投げ合っている。疲労が残っていないはずがない。片や初優勝、片や3連覇の重さに耐えて右腕を回しつづけた精神の炎に、勝者も敗者もなかろう(読売「編集手帳」)

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20060821MS3M2100221082006.html

斎藤投手の端正な投球を鮮やかに浮かび上がらせたのは、駒大苫小牧のエース田中将大投手の正面から切り結ぶ姿だ。アイドルよりよきライバルが、たくまざるドラマを生む(日経「春秋」)

http://www.sankei.co.jp/news/060822/morning/column.htm

金属バットの脅威や変化球の多投など、当時に比べて投手の負担はずっと大きい。にもかかわらず再試合でも、2人の球威は衰えを見せず、スライダーも切れていた。もし田中が最初から投げていれば…。いやそれはいうまい(産経「産経抄」)

http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0000094166.shtml

早実と駒大苫小牧の決勝は、なにを象徴しただろう。チームの持ち味以上に、現代の若者たちの個性がよりくっきりと映し出されたように見えた。ともに伸びやかで明るい。仲間を大事にする。小欄の気分は、「両校優勝」(地元紙・神戸「正平調」)

斎藤投手も全試合に完投したわけではない。1回戦の9回裏に、2年生の投手にマウンドを譲っている。しかしその投手は2者連続ストレートの四球を与えて再び斎藤がリリーフした。
それにしても駒大苫小牧の敗因は『エースの田中』を連投先発させなかったことだ、と言わんばかりの産経抄は、[これはひどい]。