雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

あの夏の日

私はなぜ「風の谷のナウシカ」を公開当時観に行ったのだろうか。そうだ、宮崎駿が監督すると聞いたからだ。しかし、なぜ私は宮崎の名を知っていて、その作品を観に行こうと思ったのだろうか。今でこそ宮崎の名は広く知られているけれども当時はマニアの間でしか取りざたされていなかったはずだ。私も「カリオストロの城」は当然未見だったし、「未来少年コナン」は見ていたけれども監督が誰かなど気にもしていなかった。そもそも「アニメに監督がいる」ことすら、この頃ようやく知ったくらいだ。
田舎だったのでなんか別の映画と二本立てだった。中央の通路にはマニア様が陣取っていて、三脚にカメラを設置し、名場面やらキャラのアップになるとカシャカシャシャッターを切ってたのには驚いた。場内は超満員で私は立ち見だった。このときの体験から宮崎駿の映画はしばらく映画館で観る気がしなくなった。その次に劇場で観たのは「魔女の宅急便」までない。
映画館の扉を出たところで学校の友人と出会った。彼は今で言うアニヲタだった。そうだ彼が「宮崎はすごいんだ」と力説していたのを覚えていたのだ。私が観に行ってたのは彼にとっては意外だったらしくなんやかんや話をした。「超人ロックは観た?」「じゃあ劇場版マクロスは?」いずれも同時期に公開していたアニメだ(今もおぼえていますか?)。聞かれたけど「そんなん観ねーよ」と答えた。でもマクロスは夏休みの終わり頃、さらに田舎の映画館(2番館)で観た。これも同時期に制作された「レンズマン」と二本立て。なんかもうめちゃくちゃだけど、田舎とはそういうものだ。封切館から回って来たと思しきフィルムは傷が多く、しかも上映中に2分ほど音声が途切れるという(これは「レンズマン」の方)すごい環境だった。
ナウシカを見た映画館があった場所は、今は巨大なパチンコ屋になっている。マクロスの映画館は青空駐車場である。