雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

どんな補習するんだろうね

私の父は公立高校の教師(理科)で、1970年代ごろはいわゆる「底辺高」に勤務していた。当時その学校は進学率も低く、また進学希望の生徒もほとんど私大の文系だったため、化学の授業なんかまともに聞く生徒はあまりいなかったという。そんなわけで父は、教科書通りの授業はやめて、一学期まるまる水俣病の歴史について勉強するとかやっていたみたいだ。自分が大学に行きだしたある日に実家の押し入れを整理していたら、当時の教材(わら半紙にガリ版刷り)がたくさん出てきて、これが面白くて思わず読みふけってしまった。宇井純という学者*1の名を知ったのもこのときだ。水俣病に代表される公害とは、要するに化学産業がもたらした負の部分であり、化学の授業で取りあげるのは正しい方向性ではある。手作りのテキストの合間に「授業で公害を取りあげることについて」なんて説明をした紙が一枚挟まっていたりして、ああこれは当時もいろいろ議論になったんだろうなと思った。
親の仕事をあれこれ聞くのは気恥ずかしい、というかマナー違反のような気がしたので、この話は父の退職後に「いろんなことしとってんなあ」と聞いてみた。「あああれな。ワシも若い頃だったし、生徒を授業に集中させるためにいろいろやったんや。公害の話はちょっと問題になって、教科書を教えてくれという保護者と夜通し話し合ったりもした。まあ子供の人生にとって何が大事という話やな」受験で化学が必要な生徒には補習をしていたらしい(それはそれでどうかと思うが)。そういう時代だったんだろう。ということにしておこう。
でも授業のレジメ、というかテキストは大変面白かった。進路を決める前(小学校とか中学時代)にこれを見つけていたら、自分も理系を選んでたんじゃないかと思う。ifの話だが。


これからあちこちの高校で未履修科目の補習とかがあって、たぶん生徒は授業聞く気もないだろうし大変だろうが、先生には知識か教養のひとつでも与えて単位をやってほしいと思う。世界史なんかいろいろネタあって面白そうじゃん。内田センセとか嘆かさないために、このへん参考にすれば。今回問題になってるのは父の場合と違って頭のよい子が多そうだしな。進学校の先生に今からネタを繰る暇があるかどうかは知らないけど。*2

*1:追記: 11月11日に亡くなられたそうです(http://www.asahi.com/obituaries/update/1111/004.html)。お悔やみ申し上げます

*2:あとからの追記: この段のみ唐突に違う話になっているが、この記事を書いたときは進学校を中心に「必修科目の未履修」が問題となっていた。補習で単位を取らないと卒業できないとかいろいろ話題になっていた。結局どうなったのだろう

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