雷電のチチ日記

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メジャーリーグサッカー

ベッカムが移籍するという米メジャーリーグサッカー。私は「ベッカム中村ノリとの仰天トレード」というのを秘かに期待していたがそれは無理だったみたいだ。
ところで米国(人)のサッカー観というと、作家の冷泉彰彦氏がJMMでこんなことを書いていた。W杯ドイツ大会さなか、米国が初戦でチェコに大敗した直後の記事。

  • 外国のことを知らない
    • 世界とは何かが分からず、世界で戦う感覚もない
  • サッカーは女子のスポーツだと思っている
    • 女子サッカーは花形スポーツですが、男性の方はメジャーではありません
  • サッカーは「秋の」子供のスポーツだと思っている
    • 5歳から12歳ぐらいまで、つまり「本格的にアメリカンフットボールをやる前の年齢の運動量づくり」という位置づけでしょうか/「春」は野球、「冬」はフットボールかバスケ、と相場が決まっていて、その前に「走っておく」ためのスポーツ程度に考えられている
  • サッカーは、金持ちのスポーツだと思われている
    • 公営の豪華な芝生の練習場に、巨大なミニバンを運転する専業主婦に連れて来られる「金持ちの子供」のスポーツというイメージがあります。ですから、ストリートサッカーというものはありません
  • アメリカンフットボールの悪影響がある
    • 子供のサッカーで親達はどんな声援をしているのかというと、とにかくアメリカンフットボールの影響でサッカーを曲解しているムードがあるのです。まず「ガーン」とぶつからないと「詰まらない」と思われ、 静的なフォーメーションを思い描いてしまうために「MFがシュートを打つのはダメ」となります。敵に突進しないでパスを回すのは「卑怯」 で、ましてや後ろに回すのは「自殺行為」とまあ観客がここまで誤解しているのなら代表チームに強くなれというのがムリでしょう
  • バスケやホッケーの悪影響もある
    • GKがパンチで逃れた球をバスケ用語から「リバウンド」と呼ぶ人が多く、FWには「リバウンドを狙え」という訳の分からない声援が飛ぶ一方で、GKは「リバウンド」を恐れてパンチをせず、ムリにシュートを取ろうとして取れずにこぼれ球をやられる、そんなシーンも
  • くそ真面目で上品なスポーツだと思っている
    • ヘディングは子供の脳に悪いからと高校生になるまで練習を一切させない一方で、スローイングの姿勢や、場所についてはやたらに厳格だったり

(以上 [JMM]「サッカーという鏡」from 911/USAレポート/冷泉 彰彦 2006-06-17 より抜粋)
他にも「アメリカでは、『(MFがシュートを打ったり、DFがオーバーラップするなど)他人の領分を侵す』のは『仲間を信頼していないからだ』とひどく嫌われる。欧州のクラブに所属して現代サッカーのなんたるかを知っている選手でも、代表チームではそんなプレーに終始する」等の指摘がどこまで正しいのかはよく分からないが、サッカー観の落差は日米の野球観の落差よりも大きそうだ。

ベッカムの道のりはなかなか険しいんじゃないかと思う。