事件の報道についてなど
サヨナナ: それは報道しなきゃならんのか
なんというか、殺人というのはたいていの場合個人的な事情による犯罪であって、手口とか動機を事細かに報道する意味があるのだろうかという疑問は私も前から持っていたりする。夕刊紙や週刊誌はともかく、全国紙の一面とかニュースショーのトップに殺人事件というのはどうも。それに、たとえば殺人事件を伝えるのに15分かけたら、その分(報じることを予定していたはずの)他のニュースの時間なりスペースが食われているわけで。
これに関して、かつてJMMにデンマークでの事情が載っていた。
デンマークでいったいどれだけの殺人事件が起こっているのかあまり報じられないのでわからないのですが、2004年のデータでは、殺意を持って起こした殺人のケースが年間で42件、事故で死にいたらしめたケース(交通事故は除く)が51件もあり、かなり起きているという事実に驚くほど、ほとんどのケースが大きく報道される事はありません。地方新聞でその地方で起こった事のみ語られる事や、ゴシップ系の新聞や雑誌で取り上げられる事はあっても、子どもの耳に入るような全国盤のテレビニュースでの報道は滅多にありません。稀にあるケースとしては、犯人が特定できない場合や、犯人が特定できているのに逮捕に至っていないケースで、市民への警告と協力を仰ぐ意味で報じられる事はあるように思います。
[JMM]「犯罪とメディアの影響」平らな国デンマーク/子育ての現場から/高田ケラー有子
これがメディアの節度の問題なのか、文化の違いなのかはよく分からないけれど。殺人の件数は日本よりも圧倒的に少ないが、これは人口の差(デンマークの人口は540万人くらい)によるもの。あ、あと殺人事件を報じないデンマークのメディアがそのかわり何に時間を割いているのか、ということは知りたい。
全然話は違うのだが、この火曜日の夜10時台には、殺人事件を大々的に報じていたであろう「報道ステーション」の他にも「セクシーボイスアンドロボ」、NHKで藤澤和雄調教師のドキュメンタリー、NHK教育で菊地成孔のマイルス・デイヴィス講座(Kind of Blueの誕生)と魅力ある番組が重なっていて、どれにチャンネルを合わせるか迷った末教育テレビを見ていた。この選択は正しかったと思う。