紋切り型の表現にうんざり
新聞記事には「出来事を演出つきで描写する」形態のものがある。テレビ番組で言う「再現ドラマ」と似たようなあれだ。「臨場感あふれる記事」にする狙いなんだろうけど、それに使われる言葉が紋切り型のものだったりすると、逆に幻滅である。「あんたは見たんかそれを」となり、他の部分も嘘くさく見えてしまう。
いろいろなジャンルで目にするが、政局報道でこれをやられると馬鹿馬鹿しくなる。
「【衝撃 安倍退陣】(上)絶たれた最後の望み「私が障害、局面打開へ決断」」政治も‐政局ニュース:イザ!
もうこういうの大嫌い。ソースが産経なのはたまたま目についただけで、産経の名誉のために付け加えると他紙も似たり寄ったりである。スポーツ紙や夕刊紙なら別にいいけれども、仮にも全国紙を名乗る新聞でやるのは勘弁してほしい。
首相は執務室で、2人を硬い表情で迎えた
大島氏は、これは首相の「辞意」だと気づき、うろたえた。「総理!これからの段取りもあります」
首相は半分腰を浮かせながら口調を強めた
衆院議長室に駆け込んだ大島氏は
けげんそうな表情の麻生氏に首相は
大島氏は額に汗を浮かべながら
飯島氏はすごんでみせた
手あかの付いた表現のオン・パレード。硬いというならどのように硬い表情なのか。密室でのやりとりは、本当にそうだったのか記者の創作なのか。ああもう嘘くさい。というか本当に安っぽい。