「美空ひばりiTunes進出」の愚
今の日本で一番アルバムを出しているミュージシャンは誰か、というランキングで、美空ひばりはかなり高い位置にいるのではないだろうか。
レーベルのディスコグラフィによれば、この7年間でこれだけ出ている。(数字がタイトル数、カッコ内の数字は複数枚組のものを足したのべ枚数)
- 2002年 CD 4、CDS 1、DVD 7
- 2003年 CD 5、CDS 11、DVD 3
- 2004年 CD 6(7)、CDS 3、(DVD1)
- 2005年 CD 12(19)、CDS 2、DVD 1(7)
- 2006年 CD 12(16)、CDS 3
- 2007年 CD 4(7)、CDS 1
- 2008年 CD 1(4)、CDS 3、LP 3 (5月までのリリース)
これだけの種類の商品をリリースしているのは、働き者の現役のミュージシャンでもそうそういないだろう。さすが、日本コロムビア、改めコロムビアミュージックエンタテインメント。もちろん天国でレコーディングしているわけではなく、レコード会社が過去の音源を再パッケージしたものである。(「未発表音源/映像」があるのかも知れないが詳しくは知らない)
で、今回この膨大なカタログから71曲がiTunes Storeで売られる。
asahi.com:美空ひばりの71曲 iTunesで初の世界配信へ - 文化・芸能
結構なことである。ところが、現在iTunesに出ているのは「71曲10,000円」のセットしかない。バラ売り不可である。誰に向けて商売してるんだろう? 上の記事によるとレコード会社は「若年層への売り込みも狙う」「iTunesで新たな顧客を開拓したい考え」だそうだが、とてもそんな売り方には見えません。
何が言いたいかというとですね。このニュースをクリップして、「年配層にネット購入が浸透するきっかけになるか」とか「ジェロに続いて演歌ブームがやって来ますかねえ」などと呑気な一行コメントをつけている人の記事を読むと「なーに言ってるんだ」という気になるんですよ。君ら、「演歌の女王・美空ひばりなんて自分には関係ないニュース」と思ってるだろ。「演歌の女王」じゃなかった頃の美空ひばりを知らないだろ。とりあえず「A列車で行こう」と「ロカビリー剣法」でも聴いてからコメントしろ。いいか、耳の穴かっぽじってよーく聞け。
…って書きたいのにばら売りしてくれないんじゃ聴かせようもないじゃんか。
仕方がないのでCDにリンク。2005年に発売(!)されたシングル。
- アーティスト: 美空ひばり,奥山靉,水島哲,馬渡誠一,山屋清
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2005/05/29
- メディア: CD
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あと別のブログで書いた記事。ひばりのA列車 - ||: フェルマータ :||
本当は何が言いたいかというと、「バラ売りしてくださいよー頼むから><」ですので、ひとつよろしくお願いします。(低姿勢)
(5.29追記)バラ売りキタ
曲単位の購入はできるみたいです。やっぱりそうでないと。