「日本人の特質として」
西武史上初同一カード3戦引き分けでM19
同一カード3戦連続引き分けという珍記録。
ところで野球というスポーツはテニスやバレーボールと同様に引き分けがありえなく、決着がつくまでイニングを延長してゲームを続行する。それを、日本のプロ野球では同点の場合は引き分けとする特別ルールが存在する。時代によって、時間制(制限時間を越えて延長戦は新しいイニングに入らない)とかイニング制(延長○○回で決着がつかなければ引き分け)とかの違いはあれど、引き分けの概念を持ち込んでいる。「帰りの電車がなくなると観客が困る」「テレビ中継に不利」あるいは「遅くまでナイター照明をつけてると電気代がもったいない」「選手起用の下手な監督が選手を使い切ってしまって困る」などさまざまな理由があるようだが、いずれにせよこのルール改変はスポーツを面白くするためというよりも興行上営業上の理由によるところが大きい。*1
とはいえ何事にもリクツを主張する人はいる。「プロ野球で引き分けなんてそもそもおかしい」という批判に対し、「いや引き分けは日本人の気質に合致しているんだ」とか言う人がいた。なんでも日本は閉ざされた島国で、昔から同じ面々で何度も争ってきた歴史があり、そういう中で日本人には「白黒つけない」ことをよしとする気質が育ったのだそうだ。なんとなく納得する人も多かった。
その後、サッカーのプロリーグ(Jリーグ)がはじまった。野球とは逆にサッカーは引き分けが存在するスポーツだが、Jリーグでは当初、リーグ戦においても延長VゴールやPK戦を導入し、必ず勝ち負けがつくようなルールを採用した*2。選手の負担が増すとかPK戦などで勝敗を決するのはおかしいとの批判があったが、やはりここでも「日本人の気質」を持ち出して擁護する人がいた。いわく、「日本はブシドーの国、だから日本人はサッカーでも白黒つけたがる気質なのだ」と。これまたなんとなく納得する人も多かったが、野球のときと言ってることが真逆である。
どちらも引き分けを導入する/しない理由は気質などではなく営業上の問題である。それにしても日本人は白黒つけたがるのかそうでないのかどっちなのだろう。
まとめ
- 野球は引き分けがない−日本プロ野球は引き分けを導入している−言い訳「日本人は白黒つけないのが気質」
- サッカーには引き分けがある−Jリーグは引き分けを廃していた−言い訳「日本人は白黒つけるたがるのが気質」