雷電のチチ日記

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気にするのは世間

本日の朝日新聞コラムより。(神里達博・東大特任准教授)

確かに、マスクをする人が多い背景には、衛生習慣上の根拠がある。また欧米人の判断が常に合理的とは限らない。だが、個々人の行動は本当にそのような衛生学的理由に基づいているのだろうか。むしろ「もしマスクをせずに、感染したり感染させたりしたら、『世間』の目が怖い」と判断した結果ではないだろうか。

私の場合、まさしくこれにあてはまってしまう。京都大学は市内で感染者が確認されたことを受け、休学しないと決定した。さすがは合理的な科学者の揃う組織である。抗議があったとしても、また学内で感染者が出たとしても、理路整然と説明し、納得させられる自信があるのだろう。私にはそんなものないから、「効果あるのかな」と首をひねりながら、世間を気にしてマスクをつける。

問題なのは、もしその推測が正しいならば、何らかの理由で「風向き」が変わると、「自分だけがマスクをすると、周囲に不安感を与えてしまう。『世間』の目があるから、マスクはやめよう」という風に、容易に判断が揺らいでしまう点である。

私がよくわからないのは、神戸のJR三ノ宮駅の喫煙コーナーで、マスクをずらして一服している人たちだ。何のためのマスクやねん、と思うが、恐らくこの人たちにとっては感染のことよりもタバコの方が重要なのだろう。