雷電のチチ日記

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「笑い飯の敗北」

朝日新聞大阪本社版、1月18日夕刊の芸能面コラム「立ち見席」に、この前のM-1グランプリ笑い飯評が出ていた。なんか面白かったので紹介してみる。

笑い飯の敗北 足らなかった観客の見極め


「優勝は『笑い飯』 8度目の正直実る」。昨年12月20日の「M-1グランプリ」のために準備していた予定稿がパソコンに眠っている。スタジオで生観戦、敗者復活から勝ち上がるNON STYLE(ノンスタイル)と最終決戦で激突という事前予想で書いた通りの展開にはなったのだが……
最終決戦はスポーツを素材にしゃべりだけでなく、細かなしぐさや大げさな動きなどいろんな表現でボケた。オーソドックスな漫才から離れようとする笑い飯の「美学」か。1発目のボケは驚くほどのウケで、初優勝に向かう彼らへの追い風は強かった。だが、その勢いは続かない。とりわけ、ラグビーのゴールキックの失敗を交代でやりあっていた場面。西田の口ずさむBGMと早口の哲夫のバランスが悪く、肝心のボケの中身が伝わってこない。笑うに笑えなかったもどかしさを思い出す。
最後、ユニホームを着た時に下半身が気になるというネタは品に欠けるとの批判もあろうが、“スポーツマンあるある”ネタの一種だろう。ただ、この手の話は大阪より東京の方がスベリやすい傾向がある。案の定、会場の大部分を占める女性は戸惑い気味に見えた。すでに失速は否めなかったのだが、彼女たちの想像力を言葉でつつき、微妙な空気を笑いに転化させる工夫がうかがえなかったことが残念だ。
対照的にわかりやすいしゃべくりで優勝したパンクブーブー笑い飯の果敢さは好きだが、観客と共に作る「笑い」は相手の見極めは必要だ。今年も出場できるが、ラストイヤー宣言で臨んでの敗北。狂気を漂わせ、本能に訴えた「鳥人」ネタで真骨頂は見せたものの、彼らのM-1はこれで終わるのか。
(篠塚健一)

この記者は、M-1前にまるでラグビー選手権の大会展望みたいな予想記事を書いていてそれが妙におかしかった。お笑いでこういう風な語り方されるのは正直あまり好きではないのだが、「思い」は伝わってきたので写してみた。おしまい。