雷電のチチ日記

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バーレーン10−0インドネシアの背景は複雑すぎる

バーレーン10-0インドネシアは不自然 - 海外サッカーニュース : nikkansports.com
これなんですけどね。要は「ありえないような大量点差で勝つことが逆転の条件のゲームで、ほんとに大量点を取ってしまったので怪しいと調査する」ということ。しかしどうも問題はそこだけにあるのではないようだ。
これでは中東蹴球漫画? E組の最終節は政治ゲームか? - 海島健「アッラーの国のフットボール」 : nikkansports.com
に、かなり詳しい背景解説があったので自分でもかみくだきつつまとめてみる。

まず

この試合を迎えるまでの順位。

チーム 勝点 得失
1 イラン 11 +12
2 カタール 9 +5
3 バーレーン 6 -4
4 インドネシア 0 -13

そして最終戦はイラン(H)-カタール、バーレーン(H)-インドネシア。イランは既に進出決定(負けなければ1位通過)、インドネシアは敗退決定。バーレーンが逆転する条件は、「カタールが敗れバーレーンが勝ち、しかも現在9ある得失点差を逆転するために大量得点する」こと。「イランとインドネシアがどこまで本気出すか」にかかっている。

背景

バーレーンは現在スンニ派(政権はこちら側)とシーア派の対立が激化している。シーア派の盟主であるイランは反政府のシーア派を後押し。現在のバーレーン代表はスンニ派主体のチーム(シーア派住民は応援しない)。カタールはスンニ派の国だがバーレーン情勢は静観している。
イランは2002年日韓大会最終予選の最終戦でバーレーンに1-3で敗れ、グループリーグ首位から2位に転落し出場を逃す*1という悪夢を経験しており、結構「恨み」がある。

そして試合

イランは「本気出した」ようで途中までカタールをリード。一方インドネシアは2軍選手を出してやる気なしムード。おまけに開始3分でGKが退場となり(この試合の主審はレバノン人)、前半こそ4失点で踏みとどまったが後半に大量失点を重ねる。まさかの逆転か、と思ったところでカタールが終了5分前に同点ゴールを決めドロー(2-2)に持ち込み、なんとか2位通過を決めた。(上のリンクの方はバーレーンびいきなので、「カタールの2点目が怪しく見えるのは気のせいではない…と思う」と書いている)

チーム 勝点 得失
1 イラン 12 +12
2 カタール 10 +5
3 バーレーン 9 +6
4 インドネシア 0 -23

つまり

いろいろややこしいが面白すぎるのでよし。バーレーンが「うちらの試合を調査するならカタールの2点目も調査せよ」と言い出せばさらに泥沼になって面白い。

*1:この大会は日本と韓国が開催国枠で出場しそれ以外のアジア枠は2.5しかなく、イランは大陸間プレーオフまで進んだものの敗退した