雷電のチチ日記

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不安ないかなご

今年の大阪湾・播磨灘のいかなご(新子)漁は2月23日解禁だそうである。



しかし今年は群れが少なく、不漁が予想されている。
神戸新聞NEXT|経済|イカナゴシンコ漁、不漁の見通し 播磨灘と大阪湾(2013.2.14)
兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術センター イカナゴ・シラス情報
【PDF】平成25年漁期イカナゴシンコ(新子)漁況予報(2013.2.14)

注)シンコの網おろし日は各地区漁業者の自主的判断によるが、過去の経験から網下ろしが早過ぎた場合には不漁になる可能性が高い。網おろし日の決定にあたってはこの点を十分に考慮されたい。

というか、ここのところ不漁の年がやたらと多い。うなぎが絶滅危惧種になったり、青森のいかなごが激減で禁漁になったりというニュースを聞けば、こちらのいかなごも大丈夫かと心配になる。
確かに、当地の釘煮炊きは「春の風物詩」ではあるけれども、ちょっと宣伝が効きすぎではないか? 昔から魚屋では行列もできていたけど、地元のスーパーマーケットがこぞって扱ってたりはしなかったような。
こういうスーパーは、いかなご(新子)の隣に調味料と鍋と保存用ケースを並べて売ってたりする。特に地元で高いシェアを持つコープこうべはがんばって展開してる。がんばってがんばって、海岸から遠く離れた内陸の店でも売ってたりしてまあ販路開拓に熱心である。
もうひとつがんばっている業界が宅配便で。郵便局やらクロネコやらが、「お知り合いの方へ送る時にはぜひ!」と、わざわざ「いかなご専用ケース」まで作ってにぎやかにのぼりを立てて、こちらも商魂たくましい。
「当地には、自宅で炊いた釘煮を他府県の知り合いに送る風習があります」って、まあそりゃそうなんだろうけれどもそんなに知られた「風習」だったのだろうか*1。どうも「恵方巻き」と同じ商売のにおいがするのだが、気のせいか。
ましてや、相手は生身のいかなごなんだぞ!(←古い)獲り尽くしちゃうといなくなるぞ。
ちょっと需要を煽りすぎてるんじゃないかという、それが資源が減っている一因になってるんだとしたら嫌だなと思う。
一番嫌なのは、当地で水揚げされる新子だけで需要をまかなえなくなってしまい、「風物詩」を守るためによそのいかなごを買い付けて運んでくる…なんてことにならないか、だ。
こんな私の不安を誰か解消してください。「そんなことないよ! 不漁の年が多いのはたまたまだよ! 海の中にはまだまだたくさんいるよ!」って。

参考

明石・魚の棚商店街

 主婦が家庭で作るくぎ煮が定着し始める以前にも、くぎ煮を作って販売する加工会社はありましたが、知名度は低かったようです。しかし、漁協婦人部が主婦向けの料理教室を行い、家庭料理としての普及に努めたことや、「コープこうべ」も普及活動に乗り出したことによって、家庭料理としても人気が出ました。
 また、1995年の阪神淡路大震災の後、被災した神戸の人たちがお世話になったお礼として、瀬戸内独自の味であるくぎ煮を全国各地の知人へと送ったことが、爆発的な人気へと繋がっていきました。
 家庭でくぎ煮を作る文化が定着するとともに、既成品のくぎ煮も需要が広がり、魚の棚でもいろんなお店でそれぞれの個性あるくぎ煮が販売されています。

ほうら最近の「風習」だ。「爆発的な人気」とか言われたら、不安になる。
私も毎年家でくぎ煮を炊いていたけれども、ここ数年、不漁で高騰した年には作るのをあきらめた。このくぎ煮が、いつまでも・持続的に・食べられることを願うものです。
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*1:そう言いつつ、私も大学時代に下宿する際、「お隣さんに挨拶するのに持っていき」と釘煮のパックを渡されたけど