雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

「自分達らしいサッカー」

大会前の展望で、
「今回の日本チームは今までとは違う。守備がザルで3点取られるが、攻撃も機能して3点取り返す。ガンガン撃ち合うゲームになる」
という見解があったじゃないですか。私はこれを読んで楽しみにしていたんですよ。「ああ、勝ち負けは別にして面白い展開が見られそうだな」と。
それがふたを開けてみるとこれまでと同じものを見てるわけですよ。ゴール前でのアイデアがないとかそんなん何年も前から聞き飽きてます。「今度ばかりは違う」と言ってた人、どうして「今度もまたいつもと同じ」になってしまったのか教えてくれないでしょうか。なんかサッカーゲームの画面みたいのを見せられて解説されたり、誰から誰へのパス成功率がどうしたやポジションの偏りがどうしたやという分析を見せられても、「魂が足りない」とか言われても、よく分からないのです。勝つより引き分けの方が有利だとか、どうでもいいんですよ。


とりあえず、日本が大会前の強化試合で一蹴したはずのコスタリカウルグアイイタリア相手に素晴らしい結果を出して、日本と逆の結果になっている理由だけでも教えていただければ幸いです。決勝トーナメントの1回戦で当たるかも知れないじゃないですか(おお、ポジティブ!)

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朝日新聞なんかはここ数日「自分たちのサッカーにこだわること」への疑念をたびたびコラムで書いているんですが、しかしその朝日紙上に旅人の中田ヒデが「自分たちのサッカーを貫け!」と真っ向から反論するようなコラムを寄せてるのが面白い。

(サッカーのミカタ)「自分たちのサッカー」ぼやけた - 2014ワールドカップ:朝日新聞デジタル
(side change)普通にサッカーやろうよ - 2014ワールドカップ:朝日新聞デジタル
vs.
(中田英寿がみたブラジル)「自分たちのサッカー」貫いて サッカーW杯:朝日新聞デジタル

「自分たちのサッカーをやるのと試合に勝つのとどっちが目的なんだ」「自分たちのサッカーをすれば勝てるのか、自分たちのサッカーをしないと勝てないと思ってないか」「つか自分たちのサッカーできてないじゃん」「勝たないと次がないコロンビア戦でも『自分たちのサッカー』をやるつもりか」まあ論点はこういうところですけど。

私はサッカー素人で、「撃ち合って華々しく散るならそれでもいいじゃないか」派だったんですけど、撃ち合うことも対戦相手に許してもらえない時にはどうすんだってことですよ。ヒデは8年前のブラジル戦の結果を踏まえて

だからこそ、今ブラジルで戦っている日本代表には、第3戦は、結果ではなく、自分たちのサッカーをすることだけを考えて欲しい。
 コロンビアは強い。試合を見る限り、今大会屈指の好チームだ。それでも現日本代表が4年間培ってきたサッカーができれば、必ず勝てる。そしてそれが次へつながると、僕は信じている

なんて言ってるんですがこれでは玉砕してこいという風に聞こえます。いいんでしょうか。

あと「自分たちのサッカーを貫けば」というのは、選挙で言えば日本共産党の思想ですよね。たぶん勝つための手法ではない。

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ザッケローニ監督は予定していた練習を中止してみんなでシュラスコを食べに行ったそうですが、ここで8年前のジーコ監督を思い出してみますと。あのときは確か、点を取れないという批判に対してかどうだか、ブラジル戦前に全員でひたすらシュート練習を繰り返した、と報じられていた。当時の記事

約2時間の練習の大半をシュート練習に費やした。(略)
故障者を除く全選手が、1時間以上にわたってシュートを打ち続けた。
ブラジル戦前の最後となるボンでの練習。戦術や連係の確認が図られるものと思われたが、ジーコ監督は「(戦術確認は)今は必要ないと思った。今回はとにかく点を取らなくちゃいけない」と説明

まあ臨機応変にやるのは悪いことではないと思いますけど。ザックさんも。

いずれにせよ、結果が出なかったときの全責任を取るのが監督という役職ですので、和田豊監督にはこれからもがんばっていただきたい。