安寿と厨子王
最近の若いお母さんは子供に凝りすぎた名前をつけたがるという話がありますが、…たとえば「天使」と書いて「えんじぇる」と読ませるのがやり玉に挙がっていましたけれども*1。でもこういうのって昔からありますよね。奈良時代や平安時代に中国風の名前をつけたりしたのはまんまそれでしょう。
もう少し時代を下っても、たとえば森鴎外の「山椒大夫」。あの小説に出てくる「安寿」と「厨子王」という名前の姉弟ですが、「あんじゅ」というのが「天使」のフランス語読みであることは明白であります。さすがはインテリ鴎外、英語なんて使わないね。「厨子王」というのはよく分かりませんが、「王」なんてついてるから恐らく将来野球選手にしたかったんじゃないでしょうか。
図書カード:山椒大夫 (青空文庫より)
*1:http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/43825/