雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

ワクチン接種ネット予約の記録(5人分)

さて何かの参考になるかも知れないので私の親たちの新型コロナウイルスワクチン接種ネット予約の顛末でも記録しておこう。

まず前提として

  • 自治体: 関西地方A市
    • 有能だがパワハラ体質の市長が全国的に話題になったことあり
    • 人口30万 65歳以上高齢者8万3千(市のウェブページより)。*1
    • 医療機関での個別接種と、市内数カ所に会場を設けての集団接種の2本立て

うちの対象者

  • 私の親(父① 母②)
  • 同居人の親とその姉妹(母③ 叔母④ 叔母⑤) の計5名

以下番号で呼びます。
①と②は二人暮らし。③④⑤はそれぞれ独居。いずれも70代。

予約開始前

①②は「かかりつけ医に聞いたら接種は扱わないらしい。自分らでスマホで集団接種の予約取る」とのことで、不安ながらお任せ。
③④⑤は最初から白旗を挙げていて、「私らそんなん無理やから予約代行お願いします。近所の診療所が取れたらいい」とのことで、我々が請け負う。武器はスマホ

そして予約開始当日を迎える。受付開始は朝8時。

出だしは何とか成功

私と同居人、それと遠隔地に住む親戚(私と同世代)の3人で予約代行開始。予想通り「混雑しています。時間をおいて再度アクセス」表示に遭うが、リロードリロード連打で突破して何とかログイン画面へ。その後も何度か出る「混雑」表示をリロードで潜り抜け、③④の2人分の予約完了。ここまで開始から15分。
私は仕事があるのでここで離脱して出社。

3人目は苦労した

家に残った同居人が親戚に「こっちはできたけど、そっちはどう?」と連絡すると、「混雑画面から進まない」との返事。「わかった、ごめんね、こっちでするから」と引き取り、3人目⑤の予約をしようとするが、スマホ上の予約サイトページには既に予約済みの④の情報が残ったままになっていることに気付く。
「このまま進めると、④の予約を上書きしてしまうことになるのでは?」と不安になるが、ログアウトのボタンが見つからない*2。画面を閉じてQRコード読ますところからやっても、データが残っているのかさっき取った予約の情報が出てくる。スマホでの作業をいったん中止し、家のMacを開きブラウザで作業再開。
しかし「URLが分からん!スマホQRコード読ませたらOKやったけど、Macじゃこの機能使えない」となる*3。困った末に、スマホのブラウザのアドレス欄に表示されているURLを手打ちする*4ことでログイン画面に到達、何とか3人目⑤さんの予約も完了。
ここで1時間半。何とかなるもんだ。(ここまでは同居人から聞き取り)

固まる両親

残るは①②。自信ありげだったので任せていたが、昼前にLINEで聞いてみると「ずっとやってるが、まだだ」と返事。ログイン画面に繋がるか聞くと、「何それ?」というのでこりゃだめだと急いで音声通話に切り替え。
どうも状況を聞くに、「混雑しています」画面が更新されずに出続けているようなので、リロードの方法を手取り足取りで教えて、やってもらって「出た!」その後も「どこにチェック入れるん」「集団接種の方。そこに入れたら地区の選択とか五十音の絞り込みとかいらんから!」「あ、また混雑」「リロード!」など紆余曲折あったがなんとか完了。2人目・父の分はこちらが教えるまでもなくできて、なんとか①②2人分の予約を終えたのが昼過ぎだった。

5月31日からの接種開始で、5人とも6月上旬の日程が予約できた。まずまずの成果である。

教訓

ネットで大変な思いをした経験がないと、大変な時にネットを使うのはつらい。
この接種予約サイトも、普通の状態ならさほど操作も難しくないはずだ。
しかし「混雑」画面が出た時の脱出法や、新規登録したつもりが前の登録の修正になってないか気を遣うなどは、たとえばネットショッピングのタイムセールに参戦したとか、いっこうに先に進まないチケット販売サイトに舌打ちしながらリロードを繰り返すとか、災害時に繋がらない情報サイトになんとかアクセス、といった苦い経験をしているとしていないでは対応が大違いになる。
平時にゆったりネットショッピングや、動画を見たりラインのやりとりしている程度で「ワシはネットを使いこなしているから大丈夫」と思っていると、このへんの咄嗟のサバイバル法が分からず手詰まりになってしまう。詳しい人が周りにいないと、私の親のように「混雑」から抜けられない人も多かったのではなかろうか。

サバイバルには、知識が必要だ。つらいね。

心配なこと

混雑画面からいつまでも抜け出せず、「ネットって遅いんやねえ、役に立たないわ」とぼやいている人がいやしないか。
2人分の予約を取ったつもりが、1人分の予約とその修正の操作になっていて、当日会場に行って「予約がない!」ということになる人がいやしないか。「予約終了時に接種券番号などの確認が表示されるから気が付くはず」?そんなのちゃんと見る人ばっかりだと思う?
自分たちが2組5人の予約をしてあげただけで、こんな心配がある。他にも懸念はもっとたくさんあるだろう。

操作するのは高齢者で、しかも操作の内容は、命に関わることである。こんなことさせるより、自治体が適当に「アナタは○日の×時から」と時間を指定して接種券を送る方がまだ良かったんではと思う(し、実際そうしている自治体もあるそうだ。アタマいいね)。

朝8時の受け付け開始から12時間経過で、予約枠が埋まっているのは42%らしいから、まだ余裕はある模様。皆さん落ち着いていきましょうね。

なお、今話題の「東京の大規模接種予約システム」よりはだいぶマシであろうことを申し添えます。あちらのシステムは、混雑時は「順次お繋ぎします」になって、自動でログイン画面(いや、認証しないんだからあんなのをログインと言っちゃいかんか)に切り替わっていた*5ので、そこだけはこっちの市のシステムより優れている。他は知らん。

以上です。

*1:新聞報道によると、初回接種枠は5万7千。8万3千との差が何かは分からない

*2:後から見ると、メニューのだいぶ奥の方にあった。誤ってログアウトしてしまわないように配慮されていたのかも知れない

*3:市からの案内では、「○○市で検索せよ」とあった。現在市のトップページが接種予約最優先仕様に差し替えられている。がそこには気付かない

*4:スマホiPhone, PCはMacだから「AirDrop」?か何かの機能でURLを渡すこともできるはずだが、そこには思い至らないし普段使い慣れない機能をいきなり使いこなせるはずもない

*5:ちょっと試してみた。まさかどんなデタラメ番号入れても通る設計だとは思ってもみなかったので、入力画面だけ見て閉じた