雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

あれ、同じ本を2度買ったの?

麻生首相は30日午後、東京・八重洲の八重洲ブックセンター本店を訪れ、本を4冊購入した。首相が買ったのは「強い日本への発想」(日下公人、竹村健一、渡部昇一著)、「大暴落1929」(ガルブレイス著)、「人物で読む現代日本外交史」(佐道明広、小宮一夫、服部龍二編)、「日本はどれほどいい国か」(日下公人、高山正之著)。

asahi.com:麻生首相、書店で本を4冊購入 - 政治

あれ、あれあれ? ちょうど一ヶ月前に買った本が…

麻生太郎首相は1日午後、東京・八重洲の書店に立ち寄った。約20分かけて▽日下公人、高山正之著「日本はどれほどいい国か」御厨貴著「表象の戦後人物誌」▽長谷川慶太郎著「大局を読む」▽村井哲也著「戦後政治体制の起源 吉田茂の『官邸主導』」−−の4冊を選び、ポケットマネーで購入。世界金融危機の特設コーナーでも足を止めたが、ここでは1冊も購入しなかった。

麻生首相:書店で買い物 金融危機対策の参考書は不要? - 毎日jp(11/2)

ちょっと待て、「日本はどれほどいい国か」がかぶってるんですが…。
どっちかの記者が勘違いしたのでなければ、同じ本を同じ本屋で2冊購入しておられます。「大事な本なので二度買いました」ってことかしらん。たぶんこんなのは本人が選んでなくて、ブレーンがみつくろってるんだろうけどもちょっとお粗末かなと思う。もしも本人が選んだのだとしたら…お忙しいのでしょうね。というかもうちょっとマシな本を読んで(ることにして)くださいよ。


(参考:「首相が読む本」を演出するのは難しい - 雷電のチチ日記

なぜこんなことをするのか?

総理大臣が自ら書店で本を買う(記者を引き連れて)、などというのは、パフォーマンス以外の何ものでもない。首相が本当にこれらの本を読んだかはどうでもよくて、「首相が興味あるのはこういう本だ」と発信することにのみ意味がある。ということは、この選んだ本にも総理サイドの何らかのメッセージが込められている…はずなのだがさっぱりわからない。どなたか読み解いてください。
ブックマークで「この記事に何の意味があるのか」という意見もあるが、言外にはかようにいろんなことが盛り込まれている、なかなか面白い記事だと思うぞ。

翌日に

この翌日(12/1)にロフトを視察させたりしているけれども、どうも首相の振付師にセンスを感じない。いま、こういうパフォーマンスで急落した支持率が回復するだろうと認識しているのだろうか?

アクセス数が増えているのでもうひとネタ提供する

12/2追記。
11月1日に買ったという「戦後政治体制の起源」、著者の村井哲也氏が取材に答えてこんなことを言っている。

「実は、この本、8月に出版してすぐ議員会館にある麻生事務所に贈ったんですよ。まあ、たくさん献本はあるから埋もれていたんでしょうけど……」。麻生さん、わざわざ買わなくてもよかったのである。いや、そもそも350ページ近くある純然たる学術書、読破するのは並大抵でないはず。失礼ながら、ツン読のままでは? 「たぶん」
 おそらく、本屋に足を運んだのは、読書のためというより、国民へのメッセージに違いない。政治家として、致し方ないパフォーマンスだったにせよ、マスコミを引き連れて、本を選ぶなんて読書人としてはいかがなものか。

特集ワイド:麻生首相が選んだ本 胸中表す?4冊 - 毎日jp

この記事、首相が買った本の著者からコメントを取ってきてたりして、他の部分も面白いのでおすすめ。


一般論としてはありだろうけど、これは総理の話

「同じ本を二度買ってしまった」というのは、まあ時々やらかしてしまうことである。「『これ読んでみろよ』と人にあげたので自分でもう一度買った」というのも、ありがちなことだろう。ですが今回のケースはそういう一般的なものじゃなく、「記者をひきつれて『わが国の首相はいまこんな本を読むのだ』とアピールした」というパフォーマンスの場なので。「首相のおバカエピソードに+1」だけで済むならまだしも、「ああ、首相の秘書官もテキトーにやってるな。もう本気で主を支える気を失っているのだな」…と勘ぐられかねないようなモノだから、やる気をまだ失ってないのならちゃんとチェックすべきだったと思うよ。