雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

マスク文化

カナダにいる知人によると、当地では日本のように「風邪を引いたらマスクをする」習慣はほとんどなく、ましてや「風邪の予防にマスクをつける」人などいないのだそうである。そもそも一般向けにマスクを売っていないらしい。なので、マスクの正しいつけ方を知っている人も少なく、せっかくつけてるのに口しか覆ってなかったりという人が多いとか。「日本の習慣を移植すべきだな」「じゃあ花粉症を輸出すればいいんじゃない」などと冗談を言っていた。冗談ですめばよい。

ちなみに、アメリカでは「マスク」と言うと「オペラ座の怪人」や「貴族の淫靡な仮面舞踏会」などに出てくる仮面のことだったり、野球のキャッチャーマスクなど顔のほとんどを覆うものを言います。日本で言うマスクのことは「サージカル・マスク」つまり(手術用の)外科マスクという言い方をします。そのサージカル・マスクですが、一般的に「感染者がウィルスを飛散させないためにする」という用途に限定されています。医学専門家の間でも「予防目的で」健康な人がマスクをするのは推奨されていません。文化的には「周囲の人を信頼していない」姿勢の現れと取られる危険もあります。ですから、連休中にアメリカを旅行されている方が、街中などでマスクをつけている場合には、警官などから「あなたは感染者なのか?」と聞かれる可能性があり、その際に「日本では防御目的でつけるのが一般的で、自分は健康だ」と言うことをしっかり説明できるようにしておいた方が良いと思います。でないと、感染を疑われたり深刻なトラブルになる可能性があります。アメリカは平静ですが、警戒心のないたるんだ雰囲気ではないからです。

[JMM]「オバマと新インフルエンザ」from 911/USAレポート/冷泉 彰彦

「疑い例」報道が続く現在、私はそろそろ「ニュース疲れ」してきた。なんだか世の中の雰囲気が、昭和から平成に変わる前「自粛」が日本中を覆ったときに似ている気がする。NHKの報道が大量なのもそれを想起させる。あの時も途中で「中だるみ」があった。天皇の病状を宮内庁前から連日中継リポートしていた記者もいつのまにかいなくなり、ニュースの時間の終わりに「本日の体温と血圧」が淡々と伝えられるだけになった(でも自粛ムードは続いていた)。今回もそのうち、「本日の疑い例は○○県で何名、××県で何名でした」だけになるのだろうか。
「自粛」は国内限定の現象だった。今回、日本以外の現在の雰囲気はどうなのだろう?
「自粛ムード」は、いずれは終わるという確信(不謹慎ですみません)があった。今回はどうだろう。

5月9日追記

国内初の感染者は、カナダ帰りの高校生一行。会見で

高校側は5月1日、マスクを50枚発送し、現地に5日までについたが、引率の教員が「現地は平穏でマスクをつけていると周囲に違和感を持たれる」と判断し、着用を見送った。マスクをそろって着用したのは、出国間際だったという。

現地で発熱したが予定通り帰国 大阪府教委会見

とあるのはまさしく上記引用部の問題なのだろう。これをもって「対応に疑問」と断じるのは、気の毒な気がする。平穏な街で、マスクをつけた外国人団体がゾロゾロ歩いても「感染防止のためだからやむを得ない措置」なのかどうかは、私には判断できない。