雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

これはわかんねぇなあ(クジラニュースの不思議)

調査捕鯨、計画の6割捕獲…シー・シェパード影響 (YOMIURI ON LINE)
というニュースがある。邪魔されたので獲れなかったんだそうである。
ところで、昨年の12月に同じ読売でこんな報道があった。
シー・シェパード対策成功、調査捕鯨は順調
元記事は削除されているのでリンクははてなブックマークのエントリーページ。要するに、「シー・シェパードは第2昭南丸にちょっかいを出しているが、この船は捕鯨の船団とは離れて航行していて、いわばおとりになっている。シー・シェパードは船団を見つけられなくて、捕鯨は邪魔されず順調に行われている」というものだった。*1
だったんですよ。


ところが、帰ってくると「シー・シェパードの奴らが邪魔したせいで6割しか獲れなかった」と怒っている。あれあれ、邪魔されずに悠々と調査捕鯨をやってたんじゃなかったの?
シー・シェパードのせいだったのなら、12月の「順調だ」という記事はウソであるか、そこまでいかなくてもかなり成果を誇張した、いずれにせよプロパガンダ的なものだったのかも知れない。逆に12月の記事が本当なら、計画の6割しか獲れなかったのではなく、何らかの理由で「獲らなかった」という可能性(市場需要がないとか?)もある。調査海域にクジラがいなくて獲れなかったとも考えられるが、会見で「南極海ではクジラの数が増えていることが確認できた」と言っていることからそんなことはないのだろう。減ってたらおおごとだしねえ。
あるいは12月時点では作戦がうまくいっていたが、その後バレちゃってさんざん邪魔されたとか? シー・シェパードの抗議船は1月はじめに沈没したんじゃなかったっけ。
12月の記事を書いた読売新聞の記者殿には、ぜひこのへんの真相を調べていただきたいものである。


というか、クジラ関連のニュースはどっちの立場も誇張や宣伝が強いという印象があって、何が本当なのか分かりにくくなっている。日本語のニュースを読んでるだけじゃダメなのだろうか。

追記

4/17朝日のオピニオン面に、元水産庁課長・小松正之氏のインタビュー。過去にIWCで世界と交渉し、「クジラ資源は豊富、科学データを武器に商業捕鯨を再開すべし」と主張する方である。

でも、日本のミンククジラの捕獲実績は、計画よりずいぶん少ない。これでは説得力がないのでは。
「その点は問題です。計画では南極海で年間最大935頭捕るはずなのに、2009年度の実績は506頭。これは鯨肉が売れないからです。売れないから、コストをまかなうため捕獲数を減らして高値を維持し、また売れなくなるという悪循環に陥っている」

シー・シェパード関係ないがな。この方は「科学的データをもとに議論することが大切。クジラ資源は豊かだが、クロマグロは赤信号。欧米各国と同調して規制強化に乗り出すべきだった」とも言っている。

*1:シー・シェパード対策成功」で検索すると、記事をコピペしているブログ等が見つかりますので読みたい方はそちらでどうぞ