まあなんというかご苦労様。塾の目的は合格者を増やすことで、入試に出ることを教えているだけだろうしね。
そもそも小学校の受験勉強で何やったかなんて覚えている子はほとんどいないと思うぞ。それを言い出したら中学高校の教科書だってそうだな。まともに読んでいる子がどれだけいるんだって話。というか中学受験で日本の近現代史なんか勉強していたっけ、すごいな。(いちおう経験者です)
私が高校時代に使っていた日本史の参考書は三省堂のぶあついやつ。勉強していて「なんだか様子が違うな」と感じていたところ、著者を見ると「監修家永三郎」と書いてあった(笑)。そら「なんか違う」はずだよ。とはいえ、参考書で大事なのは受験に役立つかそうでないかなので、二次試験の日本史にじゅうぶん役立ったこの本は良書であったと断言する。人にはすすめないけど*1。
- 作者: 家永三郎,黒羽清隆
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 1986/05
- メディア: 単行本
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なおこういう著者であるから南京虐殺の話もいろいろ書かれてたはずだが覚えていない(そういうものだ)。近現代史で印象に残っている箇所といえば1945年、「原爆の投下は日本の戦争遂行の判断に決定的な影響を与えなかった」とあって、ここが太字で強調されていたこと。私は『そこか?その太字が試験で重要な箇所なのか?ホンマか?』と突っ込みを入れながら読んでいた。文脈としては、当時の日本の指導層にとって最重要だったのは国民の安全よりも国体の護持であり、原爆で大勢の国民が殺された事実よりソ連の参戦のほうが脅威でポツダム宣言受諾の決定打となった、ということ、だろう、たぶん。リテラシーが必要な参考書だった。
*1:というか絶版