雷電のチチ日記

二千円札を最後に見かけたのはいつだったろう./最近はTwitterでつぶやいてることが多いかも/はてなダイアリーから移ってきました since 2005

素人が見たハーフパイプ

スノーボードハーフパイプやスキーのクロスカントリーという、ふだん見ない競技もゴールデンタイムに放映されていると観戦してしまうのがオリンピックというやつである。


で、そのハーフパイプ男子。テレビを付けたら決勝ラウンドで、アナウンサーは「ここからはトップ選手の妙技をお楽しみ下さい」と言っていたのでメダル候補と言われていた日本人選手は全員奮わなかったんだとわかった。予選VTRを見たら大技に挑んで次々撃沈していた。まあそれは仕方がない。でもこれは日本人選手に限ったことではなく、「大技に挑んで失敗」というパターンが多い競技なんだなと感じた。「2回演技して高得点の方を取る」というルールからしてチャレンジ大歓迎、むしろそれを煽るシステムに思える。どこかの会社ではないが「完成度50%」ならその50%に賭けてリスクを恐れずガンガン攻めていけという思想なのか、あるいはギャラリーを喜ばせるための仕組みなのだろうか。現に、採点基準とか技の難易度とかさっぱりわからない自分でも最後まで見てしまった。
これがたとえば体操競技なら、50%の成功率の技は恐くてとてもできないだろう。もちろんメダルを獲るような選手は素人目で見てもビシビシ決めているので本当にレベルの高い層はまた違うのだろうけど、ドームくんや國母くんもW杯優勝経験があるということなんで、一発はまった時には大逆転可能な競技なんだなという印象だ。しかしオリンピックでメダルを競うということに、そういう性格の競技はふさわしいのかなとちょっと疑問に思った。誰が勝つか賭けの対象にするなら盛り上がりそうだけど。


というわけで、klonさん(d:id:klon:20060212:1139738523)と同じく冬の競技で一番好きなのは男子アルペンダウンヒルなので、それが真っ先に終了してしまった現在オリンピックへの興味はもう8割方なかったりする(^^)。でもまあ、何の気なしに見て上のような感想を持つこともあり。


「日本がんばれ」だけではない、技術的な解説も楽しめる競技中継というと、案外マラソンがいい線行っているんじゃないかと思う。日本でノウハウの蓄積が進んでいたり、2時間超の長丁場なので「がんばれ」ネタだけでは持たないというのがあるかも知れないが、微妙に変わるフォームや心理上の駆け引きを的確に指摘してくれる宗猛や増田明美といった人の解説は素人が聞いていても面白い。いつだったか、ある駅伝の選手がガンガン飛ばしていて「これはすごい走りです!」と実況が興奮している横で「ちょっと上体のフォームに無理がありますね、これでは最後まで保ちませんよ、残り1.5キロ当たりで厳しくなるんじゃないでしょうか」と宗さんが指摘、その通りに1.5キロ地点からずるずる後退してしまったということがあって、さすが専門家の見る目は違う、というか一体どこを見ているんだとそれ以来解説に注目している。もちろん解説者もいろいろで、「ここからは気力の勝負ですよ」しか言わない人もいるが(もちろん強靱な精神力も大事なのだろうが)。
選手の家族構成とか沿道で応援する奥さんとか先導する白バイ警官が勤続何年だとかそんなことはどうでもいいんで。