ビョークさんの謎
フリー・チベット~チベタン・フリーダム・コンサート1996 [DVD]
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これは有名なチベット独立運動支援もの。ビョークも参加している。(ジャケットにも名前が見える)
…ということ、それから「ああいうことを平気でやらかす人」ということは中国当局も知っていたはずで、なのになぜビョークは中国でコンサートができたのだろう、という疑問は当然ある。忌野清志郎のライブを日本のテレビで生中継するのがかなり勇気ある行為であるように。
それにしても、わたしの頭から疑問が消えない。というのは、誰がビョークの招聘を許したのか。正式の招聘元は当然プロモーターなわけだが、実際に誰がビョークの訪中公演を「許可した」のか、という点である。ビョークはファンなら誰もが知っている筋金入りのチベット独立支援者だ。ファンでなくてもインターネットで調べれば簡単にその事実は出てくる。
実際のところ、中国はビョークのほかにも人気ロックバンドU2や俳優のリチャード・ギアなどに対しても、独立支援者、あるいはダライ・ラマに近いという理由でこれまで訪中を許していない(というか、本人たちに訪中しようという気があるかどうかも疑問だが)。先にダルフールにおける中国政府の態度に抗議してオリンピック芸術顧問を降りると宣言したスピルバーグ監督に対しては、「監督がオリンピック観戦に来るつもりがあれば拒みはしない」などと「来てほしい」的なメッセージを送っているが、強硬なチベット独立支持者にはまだまだそこまで柔軟な態度を取る準備は出来ていないはずだ。
なのに、ビョークのコンサートは認可が下りた。まさか、ビョークが誰だか知らずに許可したなんてことはありえないわけで(もしありえたとしたら、それはそれで内部で大問題になっているはずだ)、実際にコンサートが開けたということは認可申請の時点でビョークの過去に目をつぶった人物がいるということだ。それはなぜなのか。うっかりなのか、それとも意図的なものなのか。
「西欧的文化の流入」を苦々しく思う「保守派の長老」的な人物が、規制強化の口実を作るためにビョークの公演にOKを出した、なんていうのは考えすぎだろうかね。
「ぼくらにとって今日、家のまん前で西側ポップスのコンサートが行われることがどれだけ大変なことか、それが長年の努力によって勝ち取られたものなのだということなんて、ビョークは決して知らないだろう。あの一声が一部の指導者の肝を震わせ、今後のコンサートの開催にまた大変な努力をしなければならなくなった。コンサートで『都市管理者の暴力反対』て程度のことを叫ぶならなんともないってのに、なんでまた『チベット独立』なんだよ」という評論家(ブロガー)の嘆きもふるまい氏は紹介している。*1
それにしてもふるまいよしこ氏はタイムリーな話題をきちんと取り上げてくれる。ロンドンで金融の業務をしているナントカさんは、サブプライム問題で大変だった時期にマークス&スペンサーのパンツの話を書いてたけど。
ヴェスパタイン・ライヴ:ロイヤル・オペラ・ハウス [DVD]
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わあ、安くなってる。いまから買う人は幸せだな。超傑作なので聴くべし見るべし。